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   <2007年3月12日>
第42回
「レーシーな人々」 <御殿場のゴッドハンドA>

さて、今回は、“今西先生”の華麗なる一族ではなく、華麗なる武勇伝の続き、「食へのこだわり」です。
いまだ、ご本人からクレームが入っていないということは、みなさんシッカリ約束を守ってくれているようですね。

では、はじめましょう。

“今西先生”の「食へのこだわり」は、ハンパではありません。
今から20年近く前に、初めて“今西先生”と焼肉をご一緒する機会がありました。

みなさん、このスプリング。一度は
試す価値ありですよ!
そこで私が、焼肉と一緒に“サラダ”を注文すると、“今西先生”は、
「アホか オマエは!」と怒り出したのです(そう、強烈な関西弁で!)。
「な、なんでですか???」と私が聞くと、
“今西先生”は、諭すかのように語りはじめました。
「あのな、牛は毎日、草ばっかり食っとるやろが。だから、牛の身体には、野菜がぎっしり入っとんニャ。だから、肉を食うときに野菜は食べんでええのや」といって、ニッコリ微笑む“今西先生”。
そんな理由で納得できるわけが無いのですが、ギャグではなく、マジなんです。“今西先生”は。

その後、「やっぱり肉と果物は腐りかけが一番ウマイなぁ〜」といって、焼肉用のレバーを生でズルズルと食べる“今西先生”。
私は、ただただ、唖然でした。

また、“今西先生”は、「これは食べてはダメだ」という言葉に、異常に反応します。
レースウィークの翌週、コンビニ弁当の余りなどが、片付けの荷物から出てきた場合、
マネージャーが、「これは食べてはダメですよ」とでも言おうものなら、“今西先生”は、すぐに反応し、完食してしまうのです。
私が、「1週間も前の弁当なんか食べて大丈夫なんですか?」 と、問いかけると、
「オマエらは、食べものを粗末にしすぎる。だいたい、コンビニの弁当には
防腐剤が入っているから、一週間ぐらいは大丈夫」と言い切るのです。

確か、グループC全盛期のころ、メキシコで行われたレースで、メカニック20名がそろって、同じレストランで夕食を取り、翌日、19人が食中毒で病院送りになった時も、
“今西先生”だけが、「おかしいな〜、誰も仕事に来ないぞ・・・・・」といって、一人で元気に働いていたことがあったらしい・・・・・です。


でも、“今西先生”にも一度だけ病院にお世話になったことがあります。
それは、「これは食べてはダメ」という言葉が引き金でした。

ある日、トムスの工場内には、エンジンの部品を溶かすために、“青酸カリ”とやらの
劇薬がありました。
“今西先生”が、この“青酸カリ”を発見したときに、 一人のメカニックさんが、
「これは、絶対食べてはダメですからね」と、言ってしまったのです。
この言葉を聞いた瞬間から、もう、“今西先生”は、いてもたってもいられなくなりました。

そして、ついにヤッちまったのです。
トムス内にコダマする“ピーポーピーポー”のけたたましいサイレン音。

病院に駆けつけたメカニックさんに、“今西先生”は、言ったそうです。
「飲み込んだ瞬間、胃の中で、なにやらドーンと爆発が起こったかと思った」と。

やはり、“今西先生”は、タダ者ではないのです。

しかし、人が「食べてはダメだ」というものを食べることに、いったいどれほどの快楽と
ロマンがあるのか、私にはいまだに理解ができません。
だから私は、凡人の域から出られないのかもしれないですね、“今西先生”。

注  よい子のみなさん、これは“今西先生”だから一命を取りとめたことであって、
   決して、マネはしないでくださいね。


次回は3月28日更新の予定です。
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