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第12回 「番外編 レーシーな人々 A」 <スタッフ編> <2004年12月17日>

前回のレーシーな人々@はいかがだったでしょうか?
今のところ本人たちからのクレームはありませんが、問題になり次第HPから消去されますので、
まだ読んでいない方は、お早めにどうぞ。

さて、今回のレーシーな人々、スタッフ編です。
変わり者のスタッフといえば、やはりこの人を外すわけには行きません。
そう、その彼の名前は“たけちゃん”。GT300クラスにガライヤとMR-Sの2台を走らせる、
株式会社APRのメカニックさんです。(プライバシー保護のため、本名は表記できませんので、悪しからず)

"たけちゃん”の特技?は、なんたって、爆破・炎上なのです。

ある日、APRの工場の中で、みんなも黙々と仕事をしている時"たけちゃん”は思いつきました。
よし!ごみ箱を作ろう!!
そこに、ちょうどゴミ箱になりそうな、ブリキの18Lリットル缶がありました。
中には、お約束のホワイトガソリンが少量残っていましたが、"たけちゃん”だって、引火という言葉ぐらい知っています。
中を水で3回も入念に洗いました。この時の"たけちゃん”の問題は、ちょっとセッカチだったことでしょうか。
洗い終わったと同時に、酸素バーナーで、その缶を一気に切断し始めました。それも工場の中で・・・。
しばらくして、静まりかえった工場内に、爆破音がコダマしました。
凄まじい爆発音と、カスミがかった工場内に、まるでドリフのコントの爆破シーンの後に立っている、
仲本工事のような人。それが"たけちゃん”なのです。

また"たけちゃん”は、スゴイ集中力を持っています。そうです、仕事をしていると、どんどん没頭していってしまうのです。
それは、ボディー補強をしている時でした。右手にスポット溶接機、左手にバーナーを持ち、恍惚の表情?で、
ボディー溶接をしていたのでした。"たけちゃん”は、人生も仕事も決して後ろを振り返りません。
案の定、溶接の火花が、配線類に燃え移ったことなど知る余地もなかったのです。
この後どうなったかは、もちろん皆さんの想像どおりです。

プライベートでも"たけちゃん”はやらかしてます。
それは、ある休日の昼下がりでした。"たけちゃん”の全財産であり愛車である、
ヤマハXJR-1200でカッ飛んでいる時でした。もちろん、レーシングメカニックの"たけちゃん”は、
スピード大好き、キャンギャル大好きです。
そして、カーブに入ってフルバンクをカッコよく決めたまでは良かったのですが、自慢のXJR-1200は、
わずかながら、外に、そしてまた外にと膨らんで行ったのです・・・
普通の人なら、ここで転倒するのが相場ですが、"たけちゃん”の場合は、そんなことで済むはずがないのです。
お約束のお約束、そうです、そこには、ナイスなタイミングで対向車がやってくるのです・・・
そして、正面衝突!! 愛車、XJR-1200は爆発炎上といういつものパターンで、瞬時に全損となってしまったのです。

もちろん、国内だけに限りません。
それは、今年のGTマレーシア戦の時のことでした。
レースが終了したあと、マシンやスペアパーツをコンテナへと積み込む作業があり、
時間はすでに深夜となっていました。 もうスタッフ全員クタクタです。
そして、やっと作業が終了となり、レンタカー2台でスタッフは一路ホテルへと向かったのでした。
しかし、1台が帰ってこない・・・・・・。
ここで、スタッフに不吉な記憶がよみがえったのでした。
それは、サーキットを出るときに、「みんな疲れているみたいだから、ボクが運転していきますよ!」と
いつに無く元気な"たけちゃん”の姿でした・・・・・。 全員、まさか・・・マレーシアまで来てそれはないだろう・・・と。
しかし、その期待に応えてくれるのが、"たけちゃん”なのです。
"たけちゃん”号に同乗した、他のスタッフの話によると、ピットからサーキット出口に向かっている時、
悲劇は起こったそうです。颯爽と"たけちゃん”によるドライブが始まって数秒、"たけちゃん”の前から
1台の対向車が現れました。(もちろん、まだサーキット内で道幅はそれほど広くありません)
暗闇の中なので、対向車のヘッドライトはかなり眩しく、それを見ていた"たけちゃん”の脳裏には、
この国が右側通行であることを思い出す余裕など、これっぽっちもなく、普通に対向車の左側に避けたのでした。
その瞬間でした。激しく側溝のドブブタを叩く音ともに、ドブブタが"バキバキ”と割れる音がしました。
そしてクルマが止まる寸前に"ガリガリ”とボディーをこする音。
同乗者全員が、恐る恐るクルマから降りると、なんだか匂うのです・・・
その匂いは、"たけちゃん"にだけは嗅がせてはいけない、そう・・・あの揮発性の匂いだったのです・・・
ドブブタを割り、側溝に激しくボディーをヒットした瞬間、なんとガソリンタンクに亀裂が入り、
満タンのガソリンが一気に路上へと流れ出しているではありませんか・・・・・。
それからどうなったのかは、もう、私には書けません・・・・・。
この先は、ぜひ、APRのピットで皆さんが確かめてください。
ただ、この時、"たけちゃん"は、くわえタバコでクルマから降りたことだけは、付け加えておきます・・・・・・・
"たけちゃん"近影 

次回は、来年1月17日のアップ予定です。
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