TOP > 田中ミノルの勝手にドラテク講座! > 第13回
   
第13回 「荷重編C」 <ボウリングの玉 その1> <2005年01月13日>

みなさん、明けましておめでとうございます。
昨年は、GTで一勝もできず悲しいシーズンでした・・・・・。
でも年末にTOYOTAさんから、"MR-Sの開発を頑張ったで賞”という賞をいただき、開発ドライバーとして
とっても光栄に感じました。
今年も、このドラテクのコーナーは、レーシングカーの開発現場から、生の情報と、最新のドラテクを皆さんに
バッチリフィードバックしますので、今年もよろしくお願いします。 (前回のレーシーな人々も面白かったでしょ???
"たけちゃん”怒ってないかな・・・・・)


さてさて、今まで3回にわたりお話してきた荷重の話。
減速する時も、加速する時も、コーナリング中も荷重による魔法のグリップを使えばそれだけで速く走れるという
仕組みは理解してもらったのかな?
では、今回は実際に荷重の移動を体で感じる為のトレーニング方法を紹介します。

私は今でもこのトレーニングをやっているのですが、やり方は、いたってカンタン。
普段、クルマに乗っている時(サーキットではなく、通勤途中とか、彼女とのドライブ中など)、
クルマの室内にボウリングの球をイメージするのです。
室内を、軽トラックの荷台のような四角い箱型だとイメージし、その中にボウリングの球をイメージしてください。
下の図を参考に↓

イラスト上側が進行方向です。

入門編は、荷重移動の少ない高速道路が一番いいかもしれません。
まずは、料金所を過ぎて本線に合流するのに加速しますよね。その時、ボウリングの球は、室内の後方へと
転がるはずです。 そして、走行中に前のクルマに追いついてブレーキを掛ければ、ボウリングの球は、
室内前方へと転がります。もちろんコーナーでは、右コーナーだと左へ、左コーナーだと右へ転がるはずです。
この動きをいつもイメージするのです。これがイメージできると、"今どのタイヤに荷重が掛かっているのか”を
瞬時に理解できるようになります。

中級編になると、もう少し荷重移動の頻度が多い街中や、峠道で感じられるようにトレーニングします。

例えば、ブレーキングから左コーナーに進入するとしましょう。
ブレーキングで前方に転がったボウリングの球は、ステアリングを切り込むことにより、
前方に張り付いたまま、右に移動します。(イメージして!イメージして!!)
そして、コーナーの頂点付近では、右前にあったボウリングの球は、そのまま右側面の壁を沿うように
真ん中あたりまで移動し、アクセルオンにより右側面を沿ったまま右後方に移動すれば、
スムーズなコーナリングとなります。
もちろん、途中でボウリングの球があっちこっちに行っているようでは、荷重のグリップはうまく使えないのです。

そして上級編は、このボウリングの球の動きを自分でコントロールするのです。
コントロールに必要な操作は、ブレーキとアクセルとステアリングだけです。
もし、左前にボウリングの球をキープしたいのなら、どのような操作をすれば良いのか等々、考えながら自分で
ボウリングの球の動きをコントロールするのです。
これができるだけで、今までと同じタイヤでも、荷重の力によってグリップ力は格段に向上します。
最終的には、思い通りにコントロールすることが目標ですが、そのためにも、いつもボウリングの球がどこにあるのかを
感じられるようにしておくことが重要です。


次回は、荷重編C その2 ボウリングの球のスピードです。

次回は、2月15日のアップ予定です。
<<<Vol.12 ▲TOP▲ Vol.14>>>
※本サイト記載の価格は全て税込み価格となっております。ご了承ください。

Copyright(C) 2004 MINORU International. All Rights Reserved.