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第14回 「荷重編C」 <ボウリングの玉 その2> <2005年02月07日>

前回のボウリングの球のトレーニング、うまくいってますか?
これがうまくできれば、荷重のグリップが使えるだけでなく、同乗者が酔わないとか、タイヤが減りにくいといった
副産物もありますので、ぜひ、、マスターしてくださいね。

さて、今回は、ボウリングの球のもう少し突っ込んだ話です。
前回にも話したように、アクセルとブレーキとステアリングの操作により、ボウリングの球を動かせる方向が決まります。
今回の話は、これらの操作で、ボウリングの球が動く時のスピードに関しての話です。

たとえば、ブレーキを踏んだとしましょう。
やさしく、"スゥ〜”っと減速すると、ボウリングの球はゆっくりと室内、前方に転がります。
でも、" ガッツーン”と急ブレーキをかけると、ボウリングの球はすごいスピードで前方に移動します。
これは、アクセルやステアリング操作でも、同様で、操作の強さ(速さ)でボウリングの球(荷重移動)のスピードが
変わるのはわかりますよね?
この、荷重移動のスピードを読む(想像できる)ことが荷重グリップを使うときのキモのキモとなります。

なぜなら、荷重ではなく、タイヤ表面のグリップしか使わないのであれば、自分が"ここだ!”というタイミングに
アクションを起こせば良いのですが、"魔法の荷重グリップ”を使うのであれば、すべて事前に段取りを仕組んでからで
ないと手に入らないからです。だから、荷重移動のスピードを読むことが重要となる訳です。


では、実際に4速から2速に減速して曲がる"左”コーナーを例に説明しましょう。
まず、コーナーリングの前に減速が必要ですよね。ブレーキングによりコーナーに対して減速していくのですが、
荷重のグリップを使えないドライバーは、いかに今のスピードをコーナーまでに落とすかしか考えません。
ブレーキを踏む強さは、その時のスピードとコーナーまでの距離により強くしたり、弱くしたり調整するはずです。

対して、荷重グリップを使えるドライバーは、いかにして減速により発生するフロント荷重をコーナーの中まで
キープできるかを考えます。具体的には、ボウリングの球の動くスピードをあらかじめ予想して、ボウリングの球が、
一番前の壁に強く張り付いている時(最大限にフロント荷重を作った状態)に、ステアリングを切り出せるタイミングで
ブレーキングをします。

コーナーに対してのアプローチも、道が曲がっているからといって、曲がっている分だけ、
ハンドルを切り込むタイプだと、荷重のグリップは使えません。

ステアリング舵角 = 道の曲がり度合い ×

荷重のグリップを使うには、コーナーのRに対してフロントの外側に荷重が移る分だけ
ステアリングを切り込んでいくような感覚が必要なのです。

ステアリング舵角 = 荷重が移った度合い ○

これをマスターするトレーニング方法は、ボウリングの球の動く方向をイメージするときに、
各操作の速さや強さによるボウリングの球のスピードも一緒にイメージすることです。
このイメージができるようになると、どれぐらいの強さでブレーキを踏み、どのタイミングでステアリングを切り出し、
どれぐらいの速さでステアリングを切り込んでいくと良いのかを、車が教えてくれるようになります。

荷重を作ってからその荷重を使ってドライブできると、誰だって、今までに無い魔法のグリップを体感できるのです!
コーナーへのアプローチで、いつもよりステアリングが重くなれば、荷重グリップが使えている証拠です。



次回は、ちょっと難しいけれど、荷重編C その3 タイムアップに直結する荷重の話です。

次回は、2月21日のアップ予定です。
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